「出生前診断、した方がいい?」知っておいてほしいこと

妊娠がわかった瞬間から、喜びと同じくらい“心配”が生まれます。

その不安のひとつとして、近年よく耳にするのが出生前診断です。

「赤ちゃんは元気に育っているだろうか」
「もし病気が見つかったら、どうしたらいいのだろう」
検査の種類や受ける意味を知ることで、ゆらぐ気持ちが整うこともあります。選べる選択肢のひとつとしてぜひ関心をお寄せください。

出生前診断とは?

出生前診断とは、妊娠中に赤ちゃんの健康状態や染色体の変化の有無を調べる検査の総称です。

Norikoウィメンズヘルスクリニックでできる出生前診断は以下のように2つにわけることができます。

非確定的検査(スクリーニング検査)

赤ちゃんの状態を“推定する”検査で、採血やエコーなど母体への負担が少ないものが中心です。あくまでも推定で、“陽性=必ず病気がある”という意味ではありません。逆に、陰性でも高齢妊娠である場合や家族に染色体異常や遺伝性疾患の既往がある場合は追加検査を検討した方が良い場合もあります。

  • NIPT(新型出生前診断。母体血液に含まれる胎児のDNAを解析)
  • FTS(妊娠11〜14週で実施。血液中のマーカー(PAPP-A、hCGなど)+頸部浮腫の超音波測定でリスク評価)
  • クアトロテスト(妊娠15〜18週で実施。血液中の4種類のマーカー(AFP、hCG、uE3、Inhibin-A)でリスク評価)

確定的検査

異常の有無を“確定的に調べる”検査です。上記のスクリーニング検査で陽性となり、追加の検査を希望される場合は羊水検査を行います(条件によってはスクリーニング検査をスキップし、羊水検査のみ行うこともあります)
羊水を採取するため、ごく僅か(約0.1〜0.3%)ですが流産のリスクがあります。

  • 羊水検査

NIPT(新型出生前診断)とは

現在の出生前スクリーニングの中では最も精度が高く、最新の方法とされています。流産リスクがなく、妊娠初期(10週前後)から検査可能で、ダウン症の検出率が高い検査です。

次のような流れで実施します。

  1. 検査前カウンセリング…検査の事前説明、リスク説明。不安なことの相談など。
  2. NIPT検査…母体の血液を採取し、血液検査と胎児のDNA解析を行います。
  3. 検査結果開示…医師が丁寧に結果を解説し、陽性の場合の確定検査やリスクの理解をサポートします
項目従来型(FTS・クアトロテスト)NIPT
方法母体血清マーカー+超音波母体血液中の胎児DNA解析(cfDNA)
検出率(ダウン症)約70〜80%約99%
偽陽性率3〜5%0.1〜0.5%

NorikoウィメンズヘルスクリニックでNIPTが可能です

当院は第3回出生前検査認証制度等運営委員会において、基幹病院である札幌医大病院の連携病院としてNIPTを行うことが承認されたクリニックです。

検査を受けるか迷ったら

迷うのは当然のことです。落ち着いた環境でじっくり考えて、パートナーとも相談してみてください。

  • 自分とパートナーは、結果を知りたいと感じているか
  • 結果によって行動を変えるのか
  • 検査のメリット・デメリットを理解できているか
  • 検査を受けることで心が軽くなるのか、重くなるのか

大切なのは、“検査を受けても、受けなくても、その選択は尊重されるべきもの” ということです。

当院では「検査を受けるかどうか迷っている」という段階でも相談を受け付けています。迷っている状態で相談しても、検査を無理に勧めることはありません。私たちはあなたの気持ちを整理し、選びたい方向をサポートします。検査内容についてもっと詳しく訊きたいという方はご予約のうえご来院ください。

執筆者

Norikoウィメンズヘルスクリニック
院長 寺田 倫子

2007年札幌医科大学卒業。札幌医科大学病院、砂川市立病院、NTT東日本札幌病院、市立釧路総合病院、東豊病院などでの勤務を経て、Norikoウィメンズヘルスクリニックを開院。産婦人科専門医、母体保護指定医、臨床遺伝専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、腹腔鏡技術認定医、子宮鏡技術認定医、医学博士。