妊娠と飛行機
妊婦が飛行機旅行を希望した場合
●飛行機を使用した旅行が流産を起こしやすいというデータはありません。
●妊娠12週~28週頃が旅行に適しています。
●搭乗可能な妊娠時期においても、出血、腹痛がある場合、著明な妊娠悪阻、切迫流産、切迫早産、前置胎盤、頸管無力症、妊娠高血圧症候群、血栓性静脈炎、Hb値8.5g/dl以下の貧血がある場合には、旅行を見合わせるように指導します。
●国内線の規約
搭乗日(分娩予定日の) | 診断書 | 同意書 (航空会社の書式) |
産婦人科医の同伴 | 備考 |
29日前 | 不 要 | 不 要 | 不要 | |
28~8日前 | 必 要 | 必 要 | 不要 | 診断書・同意書を搭乗日に 空港カウンターに提出 |
7日以前 | 必 要 | 必 要 | 必要 | 診断書・同意書を搭乗日に 空港カウンターに提出 |
*生後7日以内の新生児は成熟児でも搭乗できない。未熟児の場合には生後7日以降でも制限があります。
診断書
産婦人科医の発行した診断書で、書式は自由です。
分娩予定日と飛行機旅行に適していることを記載する。
(例:「飛行機旅行は差し支えありません」と記載)
また、飛行中の必要な注意事項があれば記載する。
同意書
空港の航空会社にあります。搭乗当日で可。
妊婦本人の記入・署名が必要です。
産婦人科医の同伴
分娩予定日の7日以内の搭乗日に必要です。
医師の同行が必要です。
●国際線の規約
各航空会社によって異なります。(例えば大韓航空では32週以降は診断書が必要)
また国が制限をしているところもあります。(例えばマレーシアは妊娠6ヶ月以上の他国籍以外の妊婦の入国を認めていない)
JAL, ANAは診断書と同意書は同じですが、分娩予定日14日以内の搭乗は産婦人科医の同伴が必要です。
詳しくは各航空会社のWebサイトをご覧ください。
飛行機内の環境
●飛行機は7,000~13,000mの高度で飛行するために、与圧しても地上の80%の機内圧です。
(これは1,500~2,400mの高地に相当します)
●酸素飽和度は地上の90%です。
●機内湿度は10~20%とかなり乾燥しています。
●機内空気はフィルター換気をしていますが、ウィルスの除去はできません。
●気圧低下のために腸内ガスが膨満しやすくなります。
飛行機旅行する妊婦へのアドバイス
●重い荷物、広く混雑した空港、出発・到着の遅延などで疲れやすい。
●時差もストレスになる。
●長時間同じ姿勢を取り続けなければなりません。(エコノミークラス症候群が問題となっている)
水分補給と可動が必要です。
●飛行機揺れと腸内ガス膨満で吐き気がでやすい。
●シートベルトは延長用が用意されています。