不育症・習慣性流産

1回の独立した流産の頻度は、統計上約15~20%であり、決して珍しくありません。その約60~70%以上は胎児に染色体異常があると報告されいます。また受精卵の約40%に染色体異常があり、それが出生時には0.6%に減少されており、もし流産という自然淘汰が起こらなければ、出生した児の40%が染色体異常を持つことになります。1回の独立した妊娠の流産の頻度を20%と仮定すると、反復流産率は0.2×0.2=0.04で4%、3回流産率は0.04×0.2=0.008で0.8%となります。したがって、反復流産の場合は病的原因をもたず、不育症とは言えない場合が多いですが、3回以上自然流産を繰り返した習慣流産は自然淘汰という考え方では確率的に説明できないため、不育症の原因を検索することになります。